諦めた令嬢が「今度こそ」と思ってしまうのは、浮気を許す心理に似ている

書評

対象作品婚約破棄され続けたループ令嬢は、今世は諦めることにした。かのん

この記事は軽いネタバレを含みます。


ひとことで

繰り返すループの中で諦めた令嬢の物語。こういう物語って結構責任投げ出すよね。でも投げ出さずに全うしました。

感想

既にループを繰り返し、諦めた状態からスタートする物語。もう婚約者には期待しないと思ってるはずなのに、周りの後押しもあって今度こそはと思ってしまう。これは何というか、浮気男がもう絶対に浮気しないと弁明するのを、ダメだと思いながらも許してしまうのに近い心理でしょうか。

内容はテンプレを踏襲しつつ、諦めたループの中でどう生きるかといった点にオリジナリティがあると思います。とはいえ、王子(婚約者)とのやりとりはどうしても出てくるし、意外と新しい恋が語られるわけではないんだなといった感じ。これは立場として王子と婚約せざるを得ない設定上仕方ないのだとは思いますが。

話は短く綺麗にまとまっており、最終的にはスッキリした読後感でした。

こういう人に合いそう

メインターゲットは女性。ループと婚約破棄のテンプレを満たしつつ、一途に愛を向けられる展開を安心して楽しめると思います。文量としては相当短いので、1時間くらいでざっと読めると思います。

ただし、何故ループを抜けられたとか、その辺に細かい理屈を求める人にはお勧めできません。その辺は結構曖昧です。

ネタバレ(押すと開きます)

正直気にする必要のない要素ですが、ループ脱出について。前節の最後に書きましたが、死に戻りじゃないので何らかのループ脱出ポイントが必要だと思うのですが、何故ループが抜けられたかといったあたりがいまいち説明されません。ゲームシナリオ通りじゃないからループしたのであれば、大団円での終わりはループ対象であり、主人公は悪役令嬢として不幸になるしかないのではないかと思ってしまいました。ゲームのライバルキャラが絶対に不幸にならなければいけないわけでもないし、開発陣が最後はこれで良しとしたといった解釈は可能ですが、ちょっと気になっちゃいましたね。

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